By jewelme
2020-05-22
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つばさ君は4年生までは支援学級にいたが、5年生からは通常のクラスにも多く入ってもらうことにした。クラスの皆にも色々伝えなきゃならないし、お母さんにお話を聞かせてもらわなくては…。*「では、お母さんつばさ君がこの教室で、過ごしやすくするために少しお話し聞かせてくださいますか?」
「はい、つばさは本当に落ち着きがなくて…。何か長い時間や、いつも同じことが続くと逃げてしまいます…。それに小さなことに引っかかりがあってよくめそめそしていました。それで、低学年の時は先生を困らせていましたから〈やまびこ(支援級)〉さんに行ったんです。大きくなって少しは大丈夫になってきましたがちょっとまだ不安ですね。
「なるほどー…理科室とか体育館とか場所が変わるというのは大丈夫そうでしょうか?」
「はい、むしろその方が喜びますね。いつも同じ教室よりは状況が変わることの方を好みます。それに狭い空間がダメみたいなので、体育館は好きな場所です。」
「他にはどうですか?」
「はい、あとはちょっと頑固なところがあり、手を焼きます。もともと反抗的なところがあって、最近は思春期に入ってきたし、ちょっとひどいなって思います。あれこれ言うと、「そんなに言うならこれ壊しちゃうよ?」とか「アレ買ってくれなきゃやらない」とか取り引きというか、なんか脅されているみたいで…癇癪をおこしたりもするので…何かあの子が熱中できるものはないかと、色々習い事にも連れて行ったりもしますが、どれもあまり乗り気ではないようです。」
「そうなんですね。例えばどんな習い事ですか?」
「ピアノとサッカー、水泳も習わせています。習い事のない日は自転車で、行ったことのない公園に行くのが楽しいみたいで。いつも同じ公園で遊ぶことがないので、慣れ親しむお友達も少ないような気がします。毎日のように夜まで何かしていてご飯やお風呂の時間もそこそこで、テレビも見る暇がないほどです。それは特に悪いことではないのですが、何をそんなに急いでする必要があるのか…とたまにフッと思うんです。そんな感じだから、あの子を見ていると、自分の持っているエネルギーを全て出し切ってしまっているように思います。よくお風呂の中で寝てしまっていることも多いです。」
「そうですか。高学年になると宿泊研修や修学旅行もありますが、なにか不安なことはありますか?」
「つばさは旅行が大好きです、だからとても楽しみにしています。行き先も山が多いところですよね。そういうところは大好きみたいです。ウチでも良く登山をするんです。でも、親としては泊り行事がやっぱり心配ですよね。寝ているときに泣き叫んだり、おねしょや歯ぎしりもあります。お友達と一緒の部屋はダメなんじゃないかしら…。あ、寝汗がひどいので下着を多く持たせようと思っています。それと寝る前に必ず、自分なりの儀式があるので…。やっぱり他のお子さんはびっくりするかもしれませんね。」
「あとはどうですか?」
「はい、頭痛持ちなのと、乾燥肌なので薬と保湿剤をいつも使っています。」
「わかりました。つばさ君は欠席も少し目立ちますね。これは頭痛ですか?」
「それも前はありましたが、薬でだいぶ落ち着いています。よく風邪をひいて気管支炎になるんです。そうなるとぐったりしちゃって、途中からも登校できないほどなんです。なので、お休みにしています。特に午後から熱が上がりやすくなるので、インフルエンザの季節には必ずかかりますし…」
「そうなんですね。給食は牛乳は停止ですね?」
「はい、アレルギーがありますので。好きなものはベーコンとかウィンナーで、そういうメニューの時にお休みしちゃうと悔しがっています(笑)あ、給食はよくおかわりしますよ。」
「そうですか!細いのであまり食べないのかと思っていました。お母さん、お話をありがとうございます。つばさ君は作業するのがとても早いので、これから運動会や学習発表会などの装飾の時に先頭にたってやってくれそうですね。疲れさせない程度に任せようと思います。」
「あ、先生の携帯の待ち受けネコなんですね。」
「そうです、ウチのネコなんです。」
「つばさは極端なネコ嫌いなんです。写真とかもダメなんですよね笑」
「わかりました!気を付けますね。」
常に変化を求めるため、落ち着きがないようにみえます。
マインドや身体症状は各マテリアメディカやレパートリーを参考にし、想定できそうな背景を重ねています。